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労働者の図書館 -図書館で働く者の義務と権利-

巨人の肩の上

RedhatがFedoraでやったように、Solarisも遂に開発をコミュニティに依存する動きを見せている。これに対するTorvaldsのコメントを待っていたが、期待を裏切らないいいものであった。

話中、オープンソースの成功(というよりLinuxの成功)を表すのに「私が他の人より遠くを見ることができたとすれば、それは巨人の肩に乗ったからだ」と言うニュートンの言葉を引用していた。実に謙虚かつ現実的思考をもつ人物である。要するに彼は2つのことを同時に言い表しているのだ。一つは他人が積み上げてきた成果を基礎にして今の自分(Linux)があることを、そしてもう一つは「一刻も早くいいものを安く届けるにはそれしかないでしょう」ということである。理念をいつまで語っていても仕方ないのである。

図書館においては、情報科学技術という「巨人」の肩に乗せて頂いているという意識は薄いと感じる。ITなんて所詮道具、結局それをいかに使うかであって、等と嘯き続けている。つまりは図書館に昔からある業務は形而上的な頭脳労働であって機械にはできない、という発想から抜け出ていない。

体に合った服を買うのではなく体を服に合わせることは、特に技術転換期においては、重要なことなのだ。米国ではもう、24時間チャットによるレファレンスサービス、なんてことが行われているのだ。それを実現するにあたって、開館時間の短縮、つまり直接サービス時間を減らしたといえば驚かれるだろうか。


(参考)
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20079899,00.htm?tag=nl
by tombolo | 2005-01-09 00:56 | -Library
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